お知らせ
自殺予防週間
自殺予防週間とは
9月10日〜16日までは自殺予防週間です。
自殺対策を推進するためには、自殺について、誤解や偏見をなくし、正しい知識を普及啓発することが重要です。このため、自殺対策基本法では、9月10日から9月16日までを「自殺予防週間」と位置付け、国及び地方公共団体は、啓発活動を広く展開するものとし、それにふさわしい事業を実施するよう努めるものとすることとされています。
(厚生労働省ホームページより一部抜粋 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130808.html)
具体的に国や地方自治体の取り組みとして、メンタルヘルスの講習会が行われたり、パンフレットや広報誌、SNS等で心の健康についての案内や相談窓口を掲載したり、専門家による個別相談等が行われています。
日本の自殺者数
警察庁の統計によると、日本の自殺者数は令和3年が20,007人、令和2年が21,081人、令和元年は20,169人となっています。
主要先進国(日本・アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア)の中で、日本はなんと自殺率1位。
世界的にみると1位がロシア、2位に韓国と続き、日本は7位です。
ロシアを含む東ヨーロッパの国々は、1人あたりのアルコール消費量が高く、気候柄ウォッカ等の強いお酒が好まれます。
さらに、ソ連崩壊により自由主義経済が広がったことで、経済格差が生まれました。
これらが要因となり、東ヨーロッパの国々は自殺者が多い傾向にあります。
では、日本で毎年約2万人もの人が自殺で亡くなっている背景には何があるのでしょうか。
日本人の自殺の背景
毎年2万人もの人が自殺でなくなる日本。特に日本では15歳〜39歳までの若者の自殺が目立ちます。その背景には、日本人の自己肯定感の低さ、うつ病、家庭環境や学校・職場環境、健康問題などが複雑に関わっています。また、自殺をした人に自殺の理由を聞くことができないため、なぜ自殺してしまったのか本当の理由は分からないことも多くあります。
しかしながら、自殺者や自殺未遂者に対する調査から、「うつ病」等の精神疾患が自殺の大きな要因であると明らかにされています。
うつ病について
「うつ病」は今や100人に1人が経験したことがあるという調査結果があります。
また、女性はホルモンの影響を受けることもあり、男性よりも2倍近くうつ病を発症しやすいと言われています。
うつ病は自殺の主要な要因でもあると言われていますが、医療機関の受診率は低く、適切な治療を受けていない人がたくさんいると考えられています。
うつ病を発症する原因は今でも詳しく解明されていません。
多くは仕事の大きなプレッシャー・病気や怪我・親しい人の死別・コロナ禍における失職や家族に会えない等の、その人にとって非常に悲しい出来事がストレスとなり引き起こされること、また引っ越しや昇進・結婚など、とても頑張った出来事の後に引き起こされることもあるとされています。
最近の傾向
近年、新型うつと言われるうつ病を発症する若者が増えているそうです。
従来のうつ病は自分を必要以上に責めてしまい、自責の念にかられ、仕事のミスが多くなったり不眠やイライラといった症状が現われます。
新型うつとは、人によって症状が様々であることから、学会では病気として認定されておらず非定型うつのグループに分類されます。
新型うつの張本人として自身のメンタルや体調に不調を感じてはいますが、周りからは怠けていたりさぼっているように見られる事が多く、会社として対応することが難しいケースも見られます。
大きな特徴として、従来のうつは不眠や食欲の低下がみられますが、新型うつでは逆に過食になったり、睡眠過多になったりします。
また、自分を責めてしまったり、自分に苛立ったりするよりも、他者に責任転嫁したり他者にイライラし、他人の言動に敏感になるようです。
うつ病・自殺は誰にでも起こりうる
現代社会は自分が本当にやりたいことよりも、どうすれば周りに評価されるかを気にしなければならない世の中だと思います。
その中で自分自身を押し殺して、周りに評価されようと頑張ったり、無理に周りと合わせようとして、自分は何の為に生きているのか、自分は何者なのかが分からなってしまうのです。
自ら命を立つひとは、うつ病など心の病気であることも多く、自殺の危険を表す何らかのサインを発していると言われます。
うつ病の治療には早期発見と早期介入が重要ですが、最初から精神科を受診する人は少なく、精神科以外の診療科を受診する場合がほとんどです。
特に、うつ病には食欲不振や胃痛、便秘や下痢等の消化器症状がよく現われるため、消化器科や内科を受診する人も少なくありません。
人間がうつ状態に陥るのはほとんどが日常生活のストレスです。
そしてうつ病は心の病気で、誰もが罹る可能性があります。しかし適切に治療すれば治る病気です。
家族や友人に、うつ状態で自殺を疑うような言動がみられた場合は、私たちは迷わず医療機関へ連れていきましょう。
そして、自分がもしうつ病の症状に当てはまる場合にも、躊躇せず医療機関を受診しましょう。