お知らせ
PET(ペット)検査とは?
PET(ペット)検査の「PET」ってどんな意味?
PET検査のPETとは、Positron Emission Tomography「陽電子放出断層撮影」の略です。
陽電子放出断層撮影は身体の構造を見るCTやMRIとは違い、身体の中の細胞の活動状況を画像で確認することができます。
日本では1994年からPET検査がスタートしました。
PET検査は年々進化を続け、現在はPET検査とCTを組み合わせた「PET/CT」や、MRIを組み合わせた「PET/MRI」が登場し、より精度の高い検査、幅広い病変の調査が可能になりました。
「PET/CT」はCTを組み合わせることで、体内を連続で輪切りにしたようなスライス画像を撮影でき、立体的に体内の状況やがんの位置を確認することができます。
「PET/MRI」はCTよりもより精度の高い身体の断層映像を見ることができます。
PET検査で分かること
PET検査では一度の撮影でほぼ全身を見ることができる為、がんや心臓や脳の病気をいち早く発見することに役立ちます。
また、細胞の活動状況をみることができるPET検査は、がんの広がり具合や他の臓器への転移がないか、がんの再発が無いか等も調べることもできます。
PET検査の方法
検査の事前準備として約6時間前から絶食となります。
①FDGと呼ばれるブドウ糖にごく微量の放射性物質を含んだ薬剤を注射します。
私たちの身体を構成する細胞は、エネルギー源として、「ブドウ糖」を必要としています。
がんなどの悪性腫瘍は盛んに細胞分裂を繰り返すため、正常な細胞に比べて約3倍〜8倍もの多くのブドウ糖を必要とします。
PET検査はこのがん細胞の原理に着目した検査であるため、撮影前にFDG薬剤の注射をします。
FDGにはごく微量の放射線が含まれますが、これは胃X線検査より少なく人体にほどんど影響はありません。
➁1時間程度安静にしてFDGの代謝を待った後、PETカメラと呼ばれる陽電子放出断層装置で全身を撮影します。
撮影時間は30〜40分程度です。
X線CTのような大きなカメラ装置で、ガンマ線検出器を搭載しています。
がん細胞がFDGを取り込むとコンピューターの画面上でがんが光るので、がんを見つけることができます。
検査費用は?
PET検査の相場は約10万円と言われています。これは健康な人が、健康診断を目的としてPET検査を受ける場合です。
すでに何らかのがんや病気等で詳しい検査を受ける場合には、PET検査は2010年から保険適応となりました。(胃がんを除く)
PET検査のメリット・デメリット
ペット検査は自費で受ける場合高額ではありますが、たくさんのメリットがあります。
【メリット】
・一度の検査で全身のがんを見つけることができる
・がんの転移を知ることができる
・小さながんも見つけられる
・身体への負担が少ない
・検査時間が比較的短い
PET検査には特に有効性が認められているものとして、「悪性リンパ腫・大腸がん・食道がん・肺がん・膵臓がん・乳がん・卵巣がん」などがあげられます。
以上のようにメリットは大きくありますが、ペット検査でも発見できないがんもあります。
【デメリット】
・PET検査では見つけにくいがんもある
・脳の病気は発見しにくい場合がある
・費用がかかる
がんの性質によって、先に述べたFDG(ブドウ糖にごく微量の放射性物質を含んだ薬剤)が反応しずらい部分や、逆にFDGが集まりやすい器官がある為、そういった部分のがんは見落とされやすくなってしまいます。
特に脳神経は、がん細胞と同じく活動するために多くのブドウ糖を必要とします。ブドウ糖と同じ性質を持つFDGは、脳神経に多く取り込まれてしまう為、悪性腫瘍でも目立たない場合もあります。
このようながんや病気を見落とさないためには、PET検査と人間ドックなどの精密検査で検査の精度を上げる必要があります。
PET検査を受けた方が良い人は?
PET検査にも臓器によって得意不得意があることが分かりました。
では、どんな場合にPET検査が必要になるのでしょうか。
PET検査はがんの転移や再発を早期に、そしてより小さな病変で見つける為に必要です。
また、腫瘍の大きさや場所の特定、腫瘍が悪性か良性かの区別をするのにも役立ちます。
アルツハイマー病、てんかんなどの脳の病気や、心筋梗塞を調べるためにも使われています。
PET検査でこれらを確認することは、その後の治療方法を決めるのに大変重要な役割があります。
PET検査は一度にほぼ全身の撮影をすることができ、がんの発見に役立ちますが、必ずしも全てのがんの発見に繋がるわけではありません。
さらに、PET検査では見落とされてしまうがんもある為、毎年PET検査だけを受ければ安心というわけではありません。
PET検査だけでは補えない部分はCTやMRI等と組み合わせた、PET/CTやPET/MRI等の精度の高い検査を受けると良いでしょう。