お知らせ

40代・50代で受けたほうが良い検査とは?

コラム 2021/11/30

健康寿命を考える

厚生労働省の2021年のデータによると、日本人の平均寿命は男性が「81歳」、女性が「87歳」となるそうです。戦後50歳代だった平均寿命は、環境の整備と医療の進化により、男女ともに80歳を突破しました。

一方、日本人の健康寿命は70歳程度と言われています。

健康寿命とは「健康的に自立した生活を送れる」ことを言います。自立した生活というのは、病気や介護で生活が制限されていない状態の事を指し、長生きをしていても長期にわたり介護が必要であったり、病院に入院している場合は健康寿命は短いと言えます。

平均寿命と健康寿命にあまり差がないと、寿命が尽きるまで健康的に自立して過ごしていたということになり、平均寿命に比べて健康寿命が短くなると、不健康な状態が長いということがわかります。
長い人生いつまでも元気に過ごすためには、「健康寿命」を延ばすことが大切なのです。

今回は、健康寿命を20~30年後に控えた40代・50代が人が健康のために人間ドックや検診をどう活用していくのかをご紹介します。

40代・50代に多い生活習慣病

40代や50代は今まで続けてきた生活習慣や食生活などが症状となって現れやすい年代です。さらに、この年代になると疲れがなかなか取れなかったり、体力の低下を感じたりすることで、自分の健康状態が気になってくるころではないでしょうか。

飲酒や喫煙は肺や肝臓、胃などに負担をかけ、糖分や脂肪分の多い食生活で肥満気味であると、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)をはじめさまざまな生活習慣病を引き起こします。また、これらの生活習慣はがんの発生率を上げるともいわれています。

自覚症状が特になく、自分では健康に気を使っているつもりでいても、生活習慣病の芽が宿っていることも多いにあります。
健康診断や人間ドックの結果は、自分の健康を示す客観的な指標となり、生活習慣の見直しにも繋がります。
人間ドックを受けることは未来の自分自身への投資です。生活習慣病の早期発見や改善に努めるためにも、定期的に検査を受けましょう。

40歳から受けられる特定検診とは

40歳になると生活習慣病の予防を目的とした「特定健診」が受けられるようになります。

特定検診とは特定健康診査・特定保健指導のことを言いメタボリックシンドロームの予防と改善を目的として行われます。
特定検診は各自治体が主体となって実施され、40歳~74歳までの健康保険に加入されている被保険者と被扶養者が対象になります。

メタボリックシンドロームとは糖尿病などの生活習慣病の前段階の状態を示すものです。
境界型糖尿病(糖尿病と診断されるほどではないものの血糖値が正常より高い状態にあること)、高血圧・脂質異常症・肥満などが程度が軽くとも重なっていると、糖尿病を発症する可能性が高く、心臓や血管の病気にもつながりやすいといわれています。
特定検診では、一般的な検診でも行われる身体測定や血圧測定から、中性脂肪やコレステロール値を測る血中脂質検査、糖尿病を調べるための血糖検査や、肝機能検査や尿検査などが実施されます。

検査の結果、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による予防効果が期待できると判断された方に対して「特定保健指導」が行われます。脂質異常症や高血糖、高血圧などは自覚症状がほとんどなく、気づかずに放っておくと悪化することも多いため、きちんと指導を受けることが大切です。

この段階では、生活習慣を改めることで特別な治療を行わなくても悪化を防いだり症状を改善させたりできるものも多くあります。特に家族に病歴があり、脂質異常、高血圧、糖尿病、もしくは喫煙といった血管の病気のリスクを持っている方は、血管の状況は1年でも変わってくるため、定期的な検査でデータを多く持ちましょう。

40代、50代では特定検診をもとに、食習慣、運動習慣、飲酒の頻度や量などを見直してみて下さい。

40代・50代で受けたほうが良い検査とは?

40代後半になると、がんの発症リスクが高くなります。40代から50代では「大腸がん」の発症が最も多くなり、死亡率も男性女性ともに高い傾向にあります。
国立がん研究センターがん情報サービスの調べによると、女性の部位別がん死亡率の1位が「大腸がん」となり、男性でも「肺がん」「胃がん」に続き第3位となっています。

大腸がんは、肉を好んで食べる方や喫煙者に多く見られます。喫煙は「肺がん」に直結するイメージがありますが、タバコのタールは身体に入り込むと、消化管にも吸収されます。
その為肺だけでなく食道、胃、すい臓、大腸などにも影響を及ぼすと言われています。

男性は特に「胃がん」「肺がん」「大腸がん」に気を付け、定期的にこれらの検診を受けるようにしましょう。
女性は大腸がんの検診に加え、「乳がん」「子宮がん」の検査を定期的に受けると良いでしょう。

大腸がんの検査では、「便潜血検査」や「大腸カメラ」などを行います。
大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着するため、便に血が混じっていないかを調べることができます。大腸カメラでは内視鏡を使い、出血をしていない早期のポリープやがんを見つけることができるため、病気の早期発見に繋がります。

筑波検診センターの人間ドックコースでは、消化器の専門病院として、日帰りの大腸検査を中心としたコースと、胃の検査を中心としたコースを用意しています。
さらに1泊コースでは、大腸と胃の両方を検査できるコースもあります。
中年期からは人間ドックを上手に利用していくことで健康寿命を延ばすことにつながります。

お問い合わせはこちら
お問い合わせはこちら